Astrology_Arcturus

西洋占星術と精神世界の冒険

グルジェフとクロウリーの語る「シリウス」

 

冥王星コンスピラシー 第2巻」より一部抜粋。

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さて、西洋における現代のオカルティズムに強い影響を与えた人物として、ゲオルギー・イヴァノビッチ・グルジェフ(1866~1949年)とアレイスター・クロウリー(1875~1947年)についても触れておくべきだろう。

 

 グルジェフといえば、『ベルゼバブの孫への話』(平河出版社)という難解な寓話が有名だ。これは、「人類の進化を助けるために援助を続けている異星人の語り」とされるものが延々と述べられる小説で、奇妙な造語と複雑な言い回しによって、教えの核心が幾重ものヴェールに包まれる形となっている一種の奇書である。

一見すると訳の分からない「電波本」でしかないが、ヘルメス学やグノーシス思想などをある程度理解している者が読むと、その意味するところがじわじわ見えてくる。そう、これはある種の「暗号文書」なのだ。

 

グルジェフはこの本の執筆中、少し考えれば意味が分かるような部分をより難解に書き換えていったのだが、その際、周囲の弟子たちには「より深く『犬』を埋めるために」書き換えるのだと告げており、弟子らはその「犬」はシリウスのことだと理解していた。つまり、シリウスからもたらされた教えを、それと分からないように隠すという意味である。

 

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◆臨終時のグルジェフ

 

一方のクロウリーシリウスとのかかわりをより直接的に示唆した。

彼は、シリウスを「太陽の背後に隠れた太陽」と呼び、それこそが自身の魔術的磁場の源泉であると考えていた。さらに言うと、彼の設立した魔術結社「銀の星(A∴A∴)」という名称そのものがシリウスを表しており、また、彼の代表的著作である『法の書』(国書刊行会)では「神は犬に宿り給うや?」と直截的に表現している。ここでいう「犬」とはもちろんシリウスのことだ。

 

アリス・ベイリー、フリーメーソン、神智学、グルジェフクロウリー――彼らが本当にシリウスの知性体とコンタクトしていたのかどうかは分からないが、少なくともシリウスという星に強烈に魅了されていたのは確かであり、彼らの教えが西洋における新宗教や世界中に広まるニューエイジ運動の土台になったことは疑いようのない事実である。

 

さらに重要なのは、フリーメーソンを介してシリウス信仰が一部の国の政策決定に関与している可能性があるということだ。これにかんしては、占星術における冥王星の働きとも関連する驚くべき事実を次章で明らかにしていこう。