Astrology_Arcturus

西洋占星術と精神世界の冒険

新刊本「ハーモニクス占星術」(仮題)からの抜粋(その2)

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前回に引き続き新刊本からの抜粋。

 

第5調波 自分らしい生き方、自己主張、勝負強さ

 

第2~第4調波は重要なアスペクトに関係することから、ネイタルチャートで得られる情報から、そう離れたものにはなりません。そこで、実際の鑑定ではこれらの調波数を検討対象から外すこともできます。

 

アディーもまた、実用性を持つのは第5調波以降であると考えていたようであり、それらのことから、ハーモニクス占星術では第5調波以降の一桁調波を最重視すればよい、ということになります。ただし、自己理解を深める目的でハーモニクス占星術を用いるときには、その人の基本的な行動原理を表す第2~4調波も重視すべきでしょう。

 

第5調波以降が実用性を持つというのは、それが人型(頭と手足)を連想させることにも関係がありそうです。

 

アディーは5という数を「人間の本質を示すもの」と考えましたが、そのようなとらえ方は普遍的なものであり、たとえば、5つの頂点を持つ星=五芒星にも同様の象意が与えられています。

 

五芒星には結界や悪魔払いの効果があるとされており、西洋魔術ではトランス状態にある術者がイメージの奔流の中で「人の形」(人間であるという自覚)を保つ目的で用いられてきました。ファンタジックな表現でいうと、悪魔や悪霊に憑かれて「人ならぬ者」になってしまわぬように、人型の五芒星を活用していたのです。

その効果のほどはともかくとして、5という数、そして5つの頂点を持つ図形にそのような力があると考えられていたことは間違いありません。陰陽道における晴明紋=五芒星にも同様の効果が期待されていました。

 

 

第6調波 環境適応能力、空気を読む、社会生活における成長力

 

五芒星は「火」という漢字に似ていましたが、6つの頂点を持つ六芒星は「水」に似ています。水は器の形に自らを合わせて形を変えることから、象徴的には「環境に適応する、従属する」ことを意味するといえるでしょう。

 

また、水は雪にも姿を変えますが、その結晶は六角形です。

 

六角形といえば、自然界には六角柱の岩塊が見られたり、脳細胞や小腸絨毛の集合にも六角柱の構造が見られたりします。これは、熱対流が六角柱状の循環を形成することに関係しているようです。つまり、六角形とは内外の循環を促す構造なのです。

 

占星術では、六角形と六芒星を形作るグランドセクスタイルという複合アスペクトをネイタルチャートに持つ人は、多忙すぎて自分のための時間がなくなってしまう傾向があると考えます。これは、環境に従属しすぎた結果であり、内(自己)と外(他者や環境)との循環を促すという六角形の象意にも関係しています。

 

次に、五芒星との比較で六芒星を考えてみましょう。

 

西洋魔術の世界では五芒星は結界として「個」を閉じることに関係していましたが、六芒星はその逆に、「個」を開いて外部環境からの影響に自らをさらす働きをします。つまり、異界の力を召喚する働きを示すのです。

 

 

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