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西洋占星術と精神世界の冒険

新刊本「ハーモニクス占星術」(仮題)からの抜粋(その3)アドルフ・ヒトラー編

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新刊本「ハーモニクス占星術」(仮題)から、アドルフ・ヒトラーハーモニクス分析のくだりを抜粋する。

 

ここではネイタルチャートの詳細は解説しませんが、全体としては穏和な印象であり、世界に大混乱を引き起こした人物にはとても見えません。第3ハウスにある月と木星の0度は大衆ウケのする演説能力(3ハウス)を意味しますが、カリスマ性とまではいかないでしょう。

 

ところが、権力欲求と関係する第8調波と重ねてみると、不穏な雰囲気が漂いはじめます。

 

第8調波の天王星冥王星の発芽はある種の革命思想を表します。それが、ヒトラーの大衆受けする演説能力を象徴する月と木星の0度に対して120度となり、革命を煽るような演説能力と化しています。これが、彼の権力欲求とリンクするのです。

 

第16調波は、「破壊的な出来事からどう回復するか」ということがテーマになります。ヒトラーの場合、第一次世界大戦で敗北し、戦争賠償金による経済的苦境に苦しんでいたドイツ国民に対して、民族の誇りの回復と経済復興の希望を与えたことで絶大な権力を手にするに至っており、この第16調波の状況がよく表れているといえそうです。 

 

では、第8調波と第16調波を満年齢調波として考えるとどうでしょうか。

 

ヒトラーは8歳のときに聖歌隊に属し、将来は聖職者になることを望んでいたそうですが、これは第8調波のa太陽とf木星のQ180度と関係しているでしょう。f木星は時として「聖職者」を表すからです。

 

16歳のときに彼は、成績不振と不品行が原因で自主退学しますが、このころ彼はよく陶酔状態となり「いつの日か自分に委ねられる特殊な運命」について炎のごとき勢いで友人に語りました。また、妹や母親に対して歴史と政治の講義をしていたともいわれます。

 

第8調波のテーマは、そこに他者の介入(多くは妨害)が加わることを経て、第16調波に引き継がれます。ヒトラーの場合、彼が8歳時に抱いた「聖職者になりたい」という願いは、学業の失敗などを経て、この第16調波=16歳時において別の形で実を結んだといえるでしょう。

 

第16調波はタロットの大アルカナ16番「塔」に対応していますが、このカードで塔に落ちる雷は「神がかったインスピレーション」にも関係します。彼の場合、その「神がかり状態」が後に社会的権威を得ることに寄与したことは言うまでもありません。

 

 

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